こんにちは。あんみつです。
今日はJSTQBという資格の合格体験記をつづります。
私がこの資格を取ったのは2012年と少し古いのですが、調べた限り当時とそこまで変化なかったので十分参考になると思います。所感は当時の経験をもとにしたものであることご了承ください。
目次
JSTQBとは
概要
ざっくり言うとソフトウェアテストに特化した資格試験です。
Jappn Software Testing Qualifications Boardという日本の組織が主催しており、正しくは「JSTQB認定テスト技術者資格」という名前だそうです。
ちなみにその上位にISTQB(International Software Testing Qualifications Board)という国際的にソフトウェアテストの資格認定を行っている組織があります。
レベル
Foundation、Advanced(テストマネージャ)、Advanced(テストアナリスト)、と3段階のレベルが設定されています。
(私が取得したのは一番下のFoundationです)
Foundationは、基本情報の午前問題がひたすらソフトウェアテストという縛りで選定されているイメージでした。
開催時期と合格率
年2回、夏(8月頃)と冬(2月頃)にあります。
過去4回分の開催日程は以下の通りです。(公式サイト調べ)
試験日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第23回 | 2017年8月26日 | 1333名 | 773名 | 58.0% |
第22回 | 2017年2月11日 | 1257名 | 619名 | 49.2% |
第21回 | 2016年8月27日 | 1334名 | 647名 | 48.5% |
第20回 | 2016年2月13日 | 975名 | 636名 | 65.2% |
問題数と合格ライン
試験時間 :60分
問題数 :40問
合格ライン:「ISTQBに従う」とあり非公表ですが当時は65%(26問以上正答で合格)
その他詳細は公式サイトをご覧ください。
JSTQBのサイトはサンプル問題等の情報もあり、割と充実しています。受験するか迷っている方は、一度シラバスとサンプル問題を解いて、どんなものかを知ってから判断してみるのも良いと思います。
勉強方法
当時の勉強方法を簡単に紹介します。
シラバスを読む
まずはどんな出題範囲なのか知らないと。ということで公式サイトから閲覧できるシラバスを見て押さえるべき用語の目付けをしました。
この時点でわからない単語はちらちらとネットで調べたりと、勉強前の事前情報収集みたいなイメージですね。
対策本(参考書)
本番の2ヶ月前くらいから参考書を購入して読み進めました。
ただ、私は他の資格試験ではひと通り本を読み終えてから過去問やサンプル問題を解き始めるパターンが多いのですが、
JSTQBに関しては参考書が分厚く、読み終わるのが間に合わないペースに気づき中断しました。
以前の記事で紹介した、Evernoteに自分の苦手な単語や知識セットのみを記録していく手法はJSTQBでも活用しました。
参考書自体は、わからなかった問題の知識補完用にはかなり役立ったのと、この資格のためというよりはソフトウェアテストについて深く考察するきっかけにもなるので購読してよかったかなと思っています。
web上の小テストサイト
点数を上げる取り組みとしては主にこちらのサイトを利用させて頂きました。
無料de試験 ーJSTQBテスト技術者 Foundation試験―
私がJSTQBに合格できたのはこのサイトのおかげといってもいいくらいで、とても感謝しています。
参考書の購入より先に、本番の3ヵ月程前から試しに解き始めてみたのですが、最初は2~3割しか解けず、これはまずいと毎日こつこつ10問ずつ繰り返し、地道に点数を上げていきました。
コツとしては、とくに勉強中盤(参考書を買ったあたり)からは、「なんとなくわかる」という状態を許さず、知識として意図的に正解を選べる状態になるように勉強していきました。
曖昧な問題は目星をつけておき、参考書を読んで理解後に前述のEvernote行きです。
当時もスマホからもテスト実施できたので、通勤中や昼休み、寝る前などの隙間時間を活用していました。
感触としては8~9割取れるようになれば合格圏内かと思います。
平日はあまり無理すると本業に支障が出てくるため10問程度にして、土日のどちらかを使って本番想定で40問、実力テストのつもりで受けるようにしていました。(この、本番想定でテストを行うというのが大事です)
ただ、こういう繰り返し勉強でありがちですが、だんだん以前解いた問題ばかりになってきて本番よりも簡単に解ける状態になります。
私の購読した参考書には章末に模擬試験が40問ついていて、そちらが本番と同程度の難易度でしたので、最後にそれをやりましたね。
案の定こちらの方が難しくて、7割程度しか解けなかったのではないかと思います。
この模擬試験問題は真の実力がわかり貴重なので、終盤にとっておくと良いです。
そしてもちろん、この模擬試験でわからなかったところや曖昧なところは残りの期間で重点的に理解するようにして本番に臨みました。
テス友(スマホアプリ)
iOS版はこちら
Android版はこちら
これは当時は無かったので私は使っていませんが、評判をリサーチする限りそこそこ信頼できそうです。(iOS版の方が評価が低いのが少し気になりますが)
こちらも8割~9割取れれば行けそう、という見立てのようです。
受験のきっかけと勉強して良かったこと
当時私はとある組み込み製品のソフト開発(C言語)をしていたのですが、
隣のテスト専門チームがこぞって取ろうとしている話を聞いて興味を持ち調べたのがきっかけでした。
これは私の感覚ですが、日本人って細かいし、縦割り好きだから組織としての動きは鈍かったりするので、元来ソフトウェア開発工程で言うとスピードやフットワークが求められるコーディングよりもテストに向いている国民性ではないかと思っています。日本人のテスト結果ってなんか信頼できるし、あまり気づかないバグも見つけてくれる気がするのです。
当時、オフショアなんて言葉も身近になりだし、海外の安くて高スキルセットの方が開発をゴリゴリやっていくことになったときに、
ソフトウェアテストについて体系的に知っているということは強みになるのではないかな、なんてことを思い勉強するに至りました。
実際に勉強してみて良かったことは、開発工程全体から見た各テストの位置づけや目的を体系的に学べること。
あとは当たり前ですがテスト用語に関する知見が広がることです。
(“回帰テスト”なんかはこの資格を取った後から言葉として使い始めましたね)
知識に重きが置かれている反面、たとえばこういう開発ではどういうテストをしたら良いか?といった実践的な内容にはあまり踏み込まれていないです。
(それを考えるためのベースとなるインプットに特化しているイメージです)
おわりに
以上、JSTQBのFoundationレベルに関する概要と、合格に向けて私が取り組んだことのまとめでした。
3ヶ月くらい短期集中的に勉強すれば十分合格できる資格試験だと思いますので、
ソフトウェアテストに興味のある方は受けてみてはいかがでしょうか。